90分しかない試合で誰のプレーが良いとか悪いとか言っても、総合的な評価は難しい。ただ、フロントや監督がどのような役割を期待して選手を獲得したかくらいは一般にも分からないようではおかしい。
選手の海外流出から、高いレベルの選手を保有しておくことが難しくなったことに対して出来ることは何か。まず、フットボールといえども最も優先される能力は、アスリートであることと、頭脳である。これさえあれば、守備には困らない。守備の仕方を落とし込むノウハウさえクラブにあれば良い。しかし、攻撃で得点するには、ボールを持った時の技術と、それを的確に使える頭脳が必要になる。しかも、相手のDF能力が高ければ、1人では意味がない。少なくても3人はこれに優れた選手が必要である。つまり、フロントは攻撃にからめるポジションに、リーグ屈指のボールコントロール力を持つ選手3人を確保するために人件費を集中させなくてはならない。中途半端な人材を数集めて、運動量だけで奪いに行くっても、こっちの攻撃も不確定では意味がない。やはり、最後は個人の選手の能力ということになることは、Jリーグの全試合を観ていても確かである。精鋭で3、4人という考え方にしないと、結局は得点の糸口がつかめない。