小笠原満男の、相手をパニックに陥れるロビングや
二階スタンドから見ていたようなサイドチェンジ、
いきなり本山に預けたり野沢や柳沢に繰り出す、ほ
とんど災害のようなパス。カウンターの芽を摘むタ
ックル、セットプレー後の展開を読むダッシュ。
相手チームにとって、この男の存在は、ほとんど
災害だっただろう。予測不能、手が付けられない。
エリアにパニックを起こしピッチに巨大な砂時計を
吊るして勝敗を支配する男、小笠原満男。
もう見れないのか。
サッカーが、裏切る行為の連続であることを教えて
くれた。奥州の千里眼と呼ぶものもあった。
「東北の人だから」と鈴木満氏がフォローしたとおり
説明や演説を嫌いいたずらや突飛な行動で仲間に新た
な発想の地平を啓こうとしたはにかみ屋。
相馬、秋田、ファビアーノ、名良橋、中田浩二、
熊谷浩二、本山雅志、小笠原満男、鈴木隆行、柳沢敦。
こういうメンバーとの記憶は今も新しい。
鹿島と日本サッカーの歩みだ。思えば、今に至るアジア
世界、への道のり。小笠原は二度と見ることができないのか。
そう実感させらるニュース。
思い出じゃない。はっきり目に浮かぶ。
8と10のゲーフラの揺れる中、幾多のシーンを作った。
小笠原満男のDVDを全17巻、出してほしい。