中村俊輔が語ったように、「いつもの鹿島じゃないけど、迫力が少しなかったのかなと思う」。これはだから、昨年のCS川崎戦で中村憲剛を含め相手を飲み込んでしまうようなパフォーマンス、駆け引きを、この緊張する試合で発揮してしまう鹿島の精神的強さなんだ。観ている方もそれで覚悟を決めて応援できる。
どなたかも書いていたと思うが、上手な選手が単調にプレーするのが強さではない。いかに、スタジアムを劇場化するかなのだ、極端な話が。それができる素晴らしい経験者がいて、今でも90分間戦える精神力を持っているのに、硬くなった流れを変えられれば1点とって優勝を決めることができた180分間で、1度もピッチに立てなかった。
結果がどうかではなく、本物の闘いを見られなかったことに虚脱感を覚える。しかし、こういう采配になることも予測してきたので、責任を若い選手たちになすりつけることに、今季の意味があったのだ。完